LADS OPC UA 解説
LADS OPC UA とは
概要
LADS(Laboratory and Analytical Devices Standard) OPC UA は、ラボで使われる分析器や遠心機、培養装置などの自動化と相互運用性を高めるために策定されたCompanionSpecです。
ラボ機器の種類や、メーカに依存しないように設計されているため、さまざまな分野・業種・業務プロセスの要件を包括的に満たし、将来的なデジタル化や自動化のニーズにも柔軟に対応可能です。
ラボ機器を物理的な側面と動作的な側面からモデリングするためのフレームワークを LADS は提供します。
-
物理的な側面 (Hardware View)
資産管理や保守性向上に関連するユースケースに重要です。
- Devices: ラボ機器の名前や設置日、状態監視、校正・検証ステータスなどの情報をモデル化します。
- Components: 蓋、ロータ、駆動部、コンプレッサなどのハードウェア部品をモデル化します。
- Tasks: 点検、保守、校正、検証、清掃などの繰り返し作業をモデル化し、LADS を介して整理可能にします。
-
動作的な側面 (Functional View)
機器の操作、自動化、連携に関連するデータを扱います。
- Functions: センサ、コントローラ、アクチュエータ、タイマなど、処理や役割を実現するための機能をモデル化します。
- Programs: ラボ機器で定義・実行できるプログラムをモデル化します。
- Functional Units: 処理や役割を実現するための機能をまとめ、仮想的に1つの機器としてモデル化します。
LADS OPC UA は、
- http://opcfoundation.org/UA/ [1.05.02 2022-11-01]
- http://opcfoundation.org/UA/DI/ [1.04.0 2022-11-03]
- http://opcfoundation.org/UA/AMB/ [1.01.0 2022-11-01]
- http://opcfoundation.org/UA/Machinery/ [1.03.0 2023-08-01]
との依存関係にあります。
図で表すと次のようになります。
ユースケース
LIMS(ラボ情報管理システム)と連携して、自動化を目指すことができます。
LADS は自動化の基盤となる状態監視やアラーム・通知の監視機能を提供するため、遠隔でラボ機器の状態を把握することができるようになります。
また、LIMS が管理するワークフローの一部として、ラボ機器の蓋の開閉や設定の変更、プログラムの実行など、様々な操作を行うことができます。
ラボ機器の資産管理の面でも LADS の導入は有効です。
名前や設置日、シリアル番号などの資産情報をモデル化するため、機器を一元管理することができます。また、設置場所・使用場所といった位置情報も提供するため機器の追跡や配置の最適化に役立てることもできます。