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これまでの章では、OT環境を守るための様々な対策を見てきました。可視化、ネットワーク分離、マイクロセグメンテーション、これらはいずれも、「侵入されたとしても被害を最小化する」ための重要な対策です。 しかし、第3章で触れた産業用プロトコル自体のセキュリティ欠如(Insecure by Design)は、これらの対策では根本的には解消されません。 本章では、この根本的な弱点を解消する「OPC UA」と、その現実的な導入アプローチをご紹介します。
OPC UA(IEC 62541)は、設計段階からセキュリティを組み込んだ「セキュア・バイ・デザイン」の産業用プロトコルです。主な強みは次の4つです。
ドイツのインダストリー4.0や中国製造2025で推奨プロトコルに指定され、欧州ではIT/OT連携の事実上の標準となっています。
TLSによる暗号化、証明書による認証を標準で備え、第3章で見た盗聴、改ざん、なりすましといった脅威に対抗できます。
プラットフォーム非依存で、ベンダーや機種が異なる現場でも共通の枠組みで通信できます。
「情報モデル」により、人手による翻訳を介さず機器同士が自動的に連携できます。
既存のプロトコルとは設計思想が根本から異なり、プロトコル自体に潜む弱点を解消することができます。 ただし、OPC UA単独で完全なセキュリティが担保されるわけではありません。既存のTLS暗号化や証明書を用いた安全な通信インフラと組み合わせることで、初めてその強固な防御力が真価を発揮します。 ▷さらに詳しく知りたい方は「OPC UA基礎知識」もご覧ください。
OPC UAへの移行は、いきなり取り組むべき対策ではありません。土台となるセキュリティ対策からまずは取り組むことで、効果を十分に発揮することができます。 対策の順序は次の通りです
この順番で対策をすることで、OPC UAの効果が最大化されます。OPC UA導入を検討するタイミングは、上記の1〜4の対策が一通り整ってからが理想的です。実際の移行も、既存設備を一度に全て入れ替えるのではなく、ゲートウェイ方式で要所から段階的に置き換えるのが理想的な進め方となります。 ・「全部入れ替え」は必要ありません OPC UA導入と聞くと、すべての設備を入れ替える必要があると感じるかもしれませんが、その必要はありません。既存のModbusなどのプロトコルは残したまま、ネットワークの要所に「OPC UA」ゲートウェイを設置することで、上位システムとの通信や境界部分から段階的にセキュアな通信へ置き換えていけます。
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